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Courtiers Selections |
BOURGOGNE Selection |
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私たちは、自社企画、ルー・デュモン社全面協力によってお届けするブルゴーニュの新ブランド「クルティエ・セレクション」の発売を2007年10月より開始するはこびとなりました。
このセレクションは、ブルゴーニュの有力クルティエ達とタイアップし、彼らが見つけてくるコストパフォーマンスの極めて高いワインを“シュル・ピル”(ラベルを貼らないビン販売)によって買い付け、共通ラベルを貼ってお届けするものです。
クルティエとは、フランスのあらゆるワイン産地で活躍するワイン仲介業者で、ほとんどは一匹狼の仕事師です。ブルゴーニュには公式登録者で約70人おり、それぞれの“縄張り”におけるあらゆるぶどう栽培家やドメーヌを熟知した上で、生産者からネゴシアンへのぶどう・果汁・樽・ビンでの販売の仲介をしています。腕一本で勝負する彼らの世界は浮き沈みも非常に激しく、一度でも不味いものを紹介したらすぐ噂が立って明日から廃業という、まさしく真剣勝負の世界です。
私たちは今回の企画にあたって、目下、4人の百戦錬磨のクルティエ達と組むことにしました。
★ M氏(58歳)・・・元有名ネゴシアンの社長。引退後、クルティエに転業。前職時代のネットワークをフル活用し、コート・ド・ニュイ全域に大きな影響力を持つ
★ B氏(54歳)・・・ブルゴーニュのクルティエの大ボス的存在。コート・ド・ボーヌ全域に強く、大手ネゴシアンとの取引も極めて多い
★ M氏(37歳)・・・ブルゴーニュ最大級のクルティエ・グループ(3人)を率いる。日々猛スピードで進む世代交代を徹底的に細かくフォローして仕事に結びつける情報王
★ F氏(38歳)・・・フランスの最大手ネット販売業者のバイヤーからクルティエに転業。ブルゴーニュ全域の新世代生産者に強く、女性醸造家達からもとても人気がある
彼らが総力を挙げて紹介してくれる掘り出し物を、日本人としてはブルゴーニュワインに最も造詣が深いと思われる仲田さんの協力も仰ぎながら、ご案内してまいります。また、ビン買い時のチェック、ラベル貼りなどもルー・デュモンで行います。
背景(1)2005年ヴィンテージの異常人気
特に2003年のイラク侵攻以降、ブルゴーニュは長年不況下にありました。生産者達は2~3年前のバックヴィンテージの在庫もそれなりに抱えながら、しかし長年の顧客を中心に地道に、丁寧に販売を続けました。そこに突然、「2005年は世紀の当たり年」との風評が立ち、国内外から注文が殺到する事態となりました。注文は2005年だけでしたが、資金繰りに苦しんでいた多くの生産者はそれでも売らざるを得ませんでした。そうして、90年代後半~2004年くらいのヴィンテージの在庫がさらに膨れ上がることとなり、クルティエ達は、このようなヴィンテージを処分価格で買い付けることができるようになりました。
「クルティエ・セレクション」は、このうち本当に良いものを厳選して日本に紹介するものです。「安かろう不味かろう」なワインは、まずクルティエ達が紹介しませんし、仮に、日本人の味覚に合わないことをクルティエ達が分からずに紹介したものは、仲田さんと私たちで弾きます。在庫処分をする生産者で多いのは、純粋に畑の所有面積が大きくもともとの生産量が多いところです。次に、栽培とワイン造りで手一杯で販売やマーケティングに十分に手がまわっていないところです。
生産者の名前は、非公開です。それなりに有名な生産者も多く、生産者名を出さないことが買い付けの条件になっていることがほとんどです。「武士の情け」です。
背景(2)ブルゴーニュの価格高騰
先日ブルゴーニュを訪れ、今後の現地価格の動向を調査して来ました。「今までが安過ぎたのだ」とうそぶき、ライバルドメーヌの価格動向を見ながら意図的に価格をつりあげている一部の有名生産者は無視するとして、問題は多数の良心的な生産者の方です。ブルゴーニュワインの将来的な価格動向を知る最大の指標は、ネゴシアンによるぶどうや果汁、樽ものの買い付け価格ですが、2006年も2007年も、収穫量が少なかったこともあってさらに値上がりすること必死の情勢です。また、現地で実感したインフレも噂以上で、これはコルクやキャップシール、ラベル、樽といった素材価格の上昇を意味し、価格高騰を憂う誠実な生産者達でさえ、値上げせざるを得ない状況に追い込まれています。
ユーロと原油価格(海上運賃)が暴落でもしない限り、少なくともこれから数年間は、ブルゴーニュは更なる値上げが続くと思われます。
尊敬するロンドンの複数の有力インポーターは、ドメーヌものの扱いはきちんと行いつつ、コストパフォーマンスの極めて高い無名ドメーヌを発掘し、このような形で自社ラベルで紹介することを昔から精力的に行っています。あるバイヤーは私に、「インポーターは常に黒子だが、現地にディープなネットワークを持つプロとしての“芸”を見せたい」と言いました。私たちがそのような域に達するには何十年もかかると思いますが、しかしそれでも、ブルゴーニュワイン市場の将来に強い危機感を持つインポーターとして、意地を見せたいと思い、今回の発売開始に至った次第です。
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